ワイヤレスピンマイクでの録音
スピーカーの音を直接カメラのマイクで録音するのが一番楽ですが、そのようにして録音さ れた音質は雑音などが目立ち、質は大変悪いものになります。 セミナーの録音には様々な雑音がつきものなので登壇者の話を出来るだけクリアに収録する ためにもピンマイクの使用は必要と言えます。 またその反面、ピンマイクを使うことによるトラブルもいろいろあります。 ここでは、なかでも一般的に使用されるワイヤレスピンマイクにまつわるよくある失敗をご 紹介します。
よくある失敗その1 : 周波数による混信
ワイヤレスマイクで使用される周波数は大きく分けて以下の四つです。
A帯(797~806MHz)
放送局やホールなど大規模用途での使用、無線免許が必要になります。 一般的なセミナー用途では使用しません。
B帯(806~810MHz)
セミナー用途を含むホテルや、会場、小型のホールなどでよく使用されてい ます。免許も不要で音質も問題ありません。
C帯(322MHz)
音声を必要最低限で伝送する用途で使用されます。 音質はB帯に比べ当然劣ります。 工場などで良く使われている周波数です。
2.4GHz帯
特定の製品(Line 6やAudio Technicaのワイヤレスマイク)で使用される周波数帯です。 B帯と比べ混信する可能は低いものの、WiFiやBluetoothなどの機器と混信する可能性があります。 主にB帯と同様のシーンで使用されています。
ポイント
上記の4つの周波数の内セミナーに最もよく用いられるものはB帯となりますが、
B帯は、セミナー以外にも幅広い用途で利用されることから混信の可能性が高い周波数です。
※混信とは受信しようとしている電波以外の電波が混入して正常な情報の通信に支障を来たすことです。
B帯ワイヤレスマイクの音声送受信の混信には近くで同じ周波数帯を用いた 以下の様な施設や、イベントなどがある場合が考えられます。
結婚式場
ライブハウス
スーパーマーケット
その他
ポイント
ワイヤレスマイクを使用する環境は数多くあるので、極端な例としてですが
近くで行われていた、ライブの音楽が突然流れてしまったり、逆にセミナー
の登壇者の音声がライブハウスのスピーカーから流れてしまったりという事
も起こり得るのです。
B帯(806~810MHz)の中でも特定の周波数毎に区切られたチャンネルと
いわれる周波数帯を確認/選択し、衝突が起きないようにすることで、事前
に問題を避けたり、万が一混信した際に手際よくチャンネルを変えるなどの
事前知識をもっておくことが重要です。
よくある失敗その2 : 会場でのワイヤレスマイクの使用可否
ワイヤレスマイクは電波を利用し音声データを録音するので、同じ周波数を使った
設備や、イベントが近くである場合、混信の原因となるためホテルなどでは持ち込
み自体が禁止されてしまうこともあります。
事前に会場に問合せ、使用が可能であることを確認しましょう。
よくある失敗その3 : 電池切れ
非常に基本的なミスと思われますが、意外によくあるのがこの充電切れによる録音
の失敗です。
送信機/受信機共に連続使用時間を確認し、撮影が長引く場合は余裕をもって電池
の交換のタイミングを設けることが必要です。
また、電池は常に新しいものを準備した方が良いでしょう。
セミナーは、撮り直しが出来ない一発勝負です。
ピンマイクの電池交換のために録音に失敗した部分をもう一度、登壇者に話しても
らうということは、大変失礼で現実的ではありません。ですからそうならないよう
に出来るだけ余裕を持った運用が必要です。
よくある失敗その4 : マイク使用者からでる雑音
ピンマイクを使用することで、登壇者付近から発せられる思わぬ音が入り込む事が あります。 たとえば、登壇者の身振りなどがおおきい場合衣服の擦れる音が過剰に入り込んだ り、ジャケットの袖のボタンなどが、机と擦れる音だったり、 このような場合は、ピンマイクの取付位置の調整やボタンから音が出ないようにめ だたない色のテープで覆うなどの対応により改善できます。