マスターの作成
DVDの複製には、コピーの元となるマスターDVDが必要となります。
複製は業者に依頼することになりますが、業者はこのマスター通りに複製することが業務内容なので、
マスターに不備があった場合は取り返しのつかないことになってしまいます。
それでは、どのような点を気を付けなければいけないかを以下に挙げていきます。
データを書き込むディスクはマスター専用の良質なものを準備
マスター専用でない一般のものでも技術的には問題はないのですが、 ForAuthoringという表記のマスター用ディスクもありますので準備を万全に行いたい方はこちらを選ぶとよいでしょう。
オーサリングについて
オーサリングとは、収録した映像データをDVDとして見られるようにするための以下に挙げる作業です。
DVD-Video形式への変換
映像データをDVD-Video形式以外で、DVDに書き込むとDVDプレーヤーで再生することができなくなります。
メニュー画面の作成
メニューは必須ではありませんが、商品として販売する際はDVDの初めにメニューがついていないと安っぽい印象になってしまいます。
マスターディスクへの書き込み
DVD-Video形式データをディスクに書き込む際にライティング速度を選択することができます。
1倍速であれば、映像の尺そのままの時間がかかるものです。
速度が早いとその分書き込みにかかる時間も短縮されますが、同時に細かなエラーが発生する率も高まります。
ここでは、選択可能な最大値は避け、少し遅めに設定すると良いでしょう。
オーサリングソフトについて
これらの作業はオーサリングソフトをインストールして行います。 オーサリングソフトには、無料のものからより凝った設定などができる有料のものまであります。 以下にソフトの一例をご紹介いたします。
【有料】
■ Adobe Encore
DVDプレスとコピー
作成した映像をDVDで販売、配布するためには、需要に見合った枚数分のDVDをマスターから複製する作業が必要となります。
複製方法にはコピーと、プレスの二種類があります。
コピーはみなさんの中でも大半が行ったことがある作業でもある空のDVDディスクに映像を書き込むというやり方ですが、
プレスはまずスタンパーと言われる金型を作り、それをもとに物理的にディスク表面に凹凸情報を刻み込むことで複製を行います。
プレスはコピーよりも効率的に複製が可能ですが、金型を制作する料金が追加されますので、複製数が多い場合に割安となります。
いずれも、DVDコピー業者に依頼できるので必要なDVD 枚数から適切な複製方法を決めましょう。
DVDの種類
ここで、そもそもDVDとはまずどのようなメディアであるかを再確認します。
DVD(デジタルバーサタイルディスク)は、従来のCDやレーザーディスクなどのディスク型メディアの記録容量を飛躍的に押し上げたことにより
映像の記録を可能にしたもので、その後のブルーレイディスクなどの次世代のメディア登場後もその価格帯と容量のパフォーマンスから
今もなお代表的な記録媒体として広く利用され続けています。
種類一覧
さて、DVDと一言でいっても以下のように種類がいくつか存在します。
DVD-R / DVD+R
DVD-R DL / DVD+R DL
DVD-RW / DVD+RW
+と-
-+の違いは、DVD登場初期に登場した規格団体の違いです。性能や、特徴に大きな違いはありませんが、コピー業者からのマスターDVDの種類の指定がある場合はこれに従いましょう。 一般的には-の方が普及していることから、特別な理由がない場合は-を利用するといいでしょう。
DVD-R DL
DVD-Rと、DVD-R DLには容量の差があります。 DVD-R DL のDL はデュアルレイヤーの略で記録層が2層になっているため、DVD-Rより多くの容量があります。
DVD RW
DVD-R / DVD+Rがデータの上書き、削除などが行えないのに対しDVD-RW / DVD+RWはこれらを行うことができるディスクです。
盤面・ジャケットデザイン / 印刷
念の為に説明すると、盤面はディスクの盤面のデザインのことで
ジャケットは、ケース本体と透明プラスチックフィルムの間に挟みこまれる、紙のシートのデザインになります。
いずれも、基本的にDVDの複製をする業者で一緒に発注する行うことができます。
発注の際は、業者の指定のデザインテンプレート(アドビイラストレーター等の形式)をダウンロードし、テンプレートに従いデザインを施し入稿します。
ジャケットにおいては、プリント方式にオンデマンド印刷とオフセット印刷の二種類があります。
DVDのプレスとコピーと同じように、「版」のようなものを事前に作成し効率的に大量に印刷するか、都度デジタル印刷機器にてコピーを行うのかの違いがあります。
オフセット印刷は印刷の原本「版」を作成し、印刷ブラケットから紙に転写する通常の印刷形態で、より大きなロットに向いているのに対し、
オンデマンド印刷はオンデマンド(必要な分だけ)という意味の通りインクジェット方式などを利用した高速デジタル印刷機による印刷方法で小ロットの印刷においてパフォーマンスを発揮します。